押上・業平

境内の見所 

■三峰神社

境内の社殿に向かって左側に御鎮座しているのが当神社の摂社である「三峰神社」です。
「三峰神社」は埼玉県秩父にある秩父三社の一つで、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉册尊(いざなみのみこと)の二神を主祭神をお祭りする社のことを言います。
「三峰神社」では御眷属である山犬を信奉する集まりを「三峰講」と呼んでいました。この「三峰講」は江戸時代に関東地方で広く流行しており、押上でも「押上講」の人々によって勧進されお祀りされたものと考えられていいます。残念ながら現在では「押上講」は途絶えてしまっており、境内にある溶岩を使った社殿に往時の面影を残すばかりとなってしまいました。

 

■大神輿について

押上天祖神社が所蔵する「大神輿」は明治21年5月5日に新調されたものです。神社に伝わる話では、押上天祖神社の大神輿は、深川、鳥越の大神輿と並んで江戸三大神輿の一つに数えられるほど大振りで勇壮な神輿として江戸っ子に大変人気があったと言われております。

天祖神社は関東大震災と昭和20年の戦災という2度の危機に見舞われましたが、両方とも奇跡的に神輿庫の焼失を免れ、大神輿は当時の姿を今日まで伝えることができています。

大神輿は老朽化が著しいため普段は一般公開されていませんが、9月に行われる神社のお祭り期間中のみ、お祭りで使われる時の飾りが施され、神輿庫に置かれた姿を見学する事が出来ます。現在でもその勇壮な姿を一目見ようとお祭りの期間中には全国から愛好家が集まると言われております。

 

■地元のオアシス

「押上天祖神社」は、おしなり商店街のある押上・業平橋地区の村社として広く地域に人々の崇敬を集める神社です。浅草通りから通りをわずかに隔てた場所であるにも関わらず、大変静かでどこか懐かしい境内の姿を今に伝えています。
主祭神は天照大神、春日神、八幡神の三柱を御祀りしています。押上天祖神社には普段は神職がおりませんが、牛嶋神社の末社としての格を与えられているので、祭事があると牛嶋神社から神職がやって来て神事を執り行います。
現在の押上天祖神社は、業平と押上の一部、全部で八ヶ町の氏神様として崇敬を集めており、それぞれの町のお祭りの中心になっています。
平成18年に御鎮座650年を迎えることが出来ました。今でもお参りの人が絶えず、町内会の行事等で地域の人々が集まる場所となっています。

境内には、本殿の他に、摂社の三峰神社、神輿庫、戦没者慰霊碑などがあり、おしなり地区のオアシスとして歴史に触れながら静かなひと時を過ごすことが出来ます。

(押上天祖神社 業平2-13-13)